HOME > リサイタル 田口千晴ピアノリサイタル~仲間と共に~
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山中 光 Hikaru YAMANAKA vn.5歳よりヴァイオリンを始める。 東京藝術大学卒業。 在学中「安宅賞」受賞。42回日本音楽コンクール入選。第26回文化放送音楽賞受賞。パガニーニ国際コンクール「ディプロマ」。リサイタルを10回開催。東京ヴィヴァルディ、新ヴィヴァルディ合奏団の首席奏者を歴任。1990年より99年まで新星日響コンサートマ スターを務める。 ヴァイオリンを高杉忠一、久保田良作、兎束龍夫、山岡耕筰の各氏に、室内楽を浅妻文 樹、松下修也、海野義雄の各氏に師事。 イソ弦楽四重奏団の長年の活動を経た後、東京 ベートーヴェンカルテットの1stヴァイオリンを1997~2013年3月まで務める。 現在、新アドニス弦楽四重奏団団員、武蔵野音楽大学講師。又、日本の主要オーケストラの客演コンサートマスターとしても活躍中。 |
硲 美穂子 Mihoko HAZAMA vn.東京藝術大学卒業および同大学院修士課程修了。 モーツァルト・コンテスト、フランス音楽コンクール受賞。 武久源造氏と共演のCD「鍵盤音楽の領域Vol.6」をリリース。 2003年ギタリスト竹内永和氏と活動を開始し、「葡萄の丘から」「エキゾティック」「デジャヴ」「ダンツァ」をリリース。 2005年、フィレンツェ室内管弦楽団と共演。 2011年、銀座王子ホールにて「しあわせはこぶコンサート」シリーズ開始。各地でのコンサ-ト活動のほか、地元でのフェルナンブーココンサートは2014年に25周年を迎えた。 |
三木 冬子 Fuyuko MIKI va.東京藝術大学音楽学部器楽科卒業、同大学院修士課程修了。米国ウイスコンシン州立大学で学ぶ。マジソンシンフォニーオーケストラで活動。 現在同アンサンブルの主席ヴィオラを務めるほか、日野原重明祝祭管弦楽団にて活動している。 |
津留崎 直紀 Naoki TSURUSAKI vc.30年以上在籍したリヨン歌劇場を、ソロ、作曲活動に専念するために2011年秋に退団し、同年東京で6回にわたりベートーヴェンから現代に至る、自作曲を含む、チェロ独奏曲と室内楽曲の連続演奏会を東京で開催。 爾来ソロ室内楽奏者としてフランスと日本で積極的な演奏活動を行っている。リヨン室内管弦楽団、北海道交響楽団、小林道夫、植田克己、野平一郎、海老彰子各氏等と共演、フランス、エクサンプロヴァンス音楽祭、ベルリオーズ音楽祭、ドイツ、ルール音楽祭などに出演。 バッハ「無伴奏チェロ組曲」全曲CDは「レコード芸術」誌で準特選を得る。 |
紫陽花が美しい季節となりました。みなさまお変わりありませんか。下記の通り、横浜歴史博物館でコンサートを行います。
友人のヴァイオリニスト、チェロリストとともに華麗なる響き、名曲コンサートとしてソロだけでなくアンサンブルなど盛り沢山の楽しいプログラムです。
フランスから昨年帰ってきた津留崎さんのチェロもお楽しみに。
もしお近くにお住まいで、お時間があるようでしたら、是非いらしてくださいませ。
田口 千晴
日時 | 2013年7月14日(日) |
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開演 | 14:00 |
会場 | 横浜市歴史博物館 |
料金 | 無料 座席定員 130人 |
お問合わせ | 045-912-7777 |
プログラム | ピアノ 華麗なる大円舞踊(ショパン) 英雄ポロネーズ(ショパン) ラ・カンパネラ(リスト)
ヴァイオリン 愛の挨拶(エルガー) タイスの瞑想曲(マスネ) 荒城の月(山田耕筰) チャルダッシュ(モンティ)
チェロ 白鳥(サンサーンス) 文楽(黛俊郎)
三重奏 ピアノ三重奏曲第1番(メンデルスゾーン)
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チラシ |
【日時】 2010年4月11日(日) 14:00開演(13:30開場)
【会場】 銀座王子ホール (GoogleMAP)
【チケット】 全席自由 一般4,000円 学生2,000円
チケットのお求めは プロ アルテ ムジケおよび下記のところへにて発売しておりますのでお問合わせください。
王子ホール 03-3567-9990
CNプレイガイド 0570-08-9990
東京文化会館チケットサービス 03-5815-5452
プロ アルテ ムジケ 03-3943-6677
【お問合わせ】 プロ アルテ ムジケ
2007年2月 暖冬とはいえ、まだまだ寒い日が続いておりますが、みなさまにはお変わりなくお 過ごしのことと思います。 さてこのたび2007年3月25日にリサイタルを開くことになりました。 サロンコンサートなど地域に根ざしたものは回を重ねてきましたが、自主リサイタル は5年ぶりです。 最近なにかしらカが抜け、新しい感覚が目覚めたような気がしています。もちろん 迷いや葛藤も限りなくありますがそれにも増して譜面から、また響きから感じられる 新鮮な発見に感動しています。 作曲家の人となりを、またその頃の文化を知ることはとても興味深く、現代とのつ ながりを思い想像は留まるところがありません。そのなかで作曲家自身が生身の人間 として感じられるような気がするのです。 シユーマンがどのような思いで曲を書いたのか、また、豊かな想像力の持ち主ドビ ユツシーの発想の源はどこからくるのか。そしてスクリャ_ビンは果てしない宇宙へ と拡がる感覚を持っているかのよう…。私の感じるものをお伝えできればと思ってい ます。 お忙しい事とは存じますがお運び頂ければ幸いです。 寒さの統く折、どうぞくれぐれもご自愛くださいませ。まずはご案内まで。
【プログラム】
シューマン:
子供の情景 op.15
謝肉祭 op.9
ドビュッシー:前奏曲集より
ヴィーノの門
風変わりなラヴィーヌ将軍
水の精
亜麻色の髪の乙女
西風の見たもの
スクリャービン:
練習曲 変ロ短調 op.8-11
ソナタ 第4番 op.30
【日時】 2007年3月25日(日) 14:00開演(13:30開場)
【会場】 銀座王子ホール (GoogleMAP)
【チケット】 全席自由 4,000円
チケットのお求めは プロ アルテ ムジケおよび下記のところへにて発売しておりますのでお問合わせください。
王子ホール 03-3567-9990
CNプレイガイド 0570-08-9990
東京文化会館チケットサービス 03-5815-5452
プロ アルテ ムジケ 03-3943-6677
【お問合わせ】 プロ アルテ ムジケ
2001年5月15日に御茶ノ水カザルスホールにてリサイタルを行いました。お忙しいなか足をお運びいただいた方々に深く感謝いたします。
田口千晴は芸大大学院修了でジュリアード音楽院とモーツァルテウム音楽院にても学ぶ。
前半にシューマン《パピヨン》と《ソナタ第3番》。後半はスクリャービン《左手のための前奏曲と夜想曲》《2つのマズルカ》《3つの練習曲》《ソナタ第5番》という意欲的なプログラム。
《パピヨン》フロレスタン的な活発なシーンが鮮烈に響いた。ソナタは深みのある左手で和音をふっくら包みこみ、上声をしっかりと支えながら全体をスケール大きく構築して堂々、まさにグランド・ソナタの風格をもっって響き、音楽性豊かに奏でた。濃やかなグラデュエーションのダイナミクス、なめらかなレガート、フレージング、豊麗な音色。彼女のこうしたピアニズムはスクリャービンいっそう似合う。左手のための作品では彼女の多彩、雄弁な左手の魅力がフルに発揮され、《ソナタ第5番》ではその持てるピアニズムが最高に冴えて輝き、艶麗耽美のきわみであった。
田口千晴、確かなテクニックとグラマラスなピアニズムで音楽を豊かに奏でて魅力の実力派ピアニスト、と聴いた。
(5月15日、カザルスホール)壱岐邦雄』
「ムジカノーヴァ」8月号 音楽之友社
シューマン:パピヨン 作品2
R.Schumann:Papillons op.2
:ソナタ第3番『グランド・ソナタ』作品14
Kraviersonata 『Grande Sonate』 op.14
第1楽章 Allegro brillante
第2楽章 Scherzo:Molto comodo
第3楽章 Quasi variazioni : Andantino de Clara Wieck
第4楽章 Prestissimo possibile
スクリャービン:左手のための前奏曲と夜想曲 作品9
A.Scriabin : Prelude et Nocturne op.9
:2つのマズルカ 作品25-3,8
:2Mazurukas op.25-3,8
:3つの練習曲 作品8-2,8,12
:3Etudes op.8-2,8,12
:ソナタ第5番 作品53
:Sonate No.5 op.53
●パピヨン
ロベルト・シューマンは1811年、ドイツのライプチヒで書籍業を営む家に生まれ大学では法律を学んでいたが、音楽家への夢を捨てきれなく迷っていた18才の頃、パピヨンの原形ともいうべきワルツを書き始めた。パピヨンはジャンパウルの小説「生意気盛り」の中の仮面舞踏会をあらわしたものだが、その小説はヴァルトとヴルトという双子の兄弟の青春のロマン。シューマンは後にフロレスタンとオイゼビウスという二人のペンネームを使い自分の性格の二面性をあらわしたが、この小説からヒントを得たとも考えられる。シューベルトから影響を受けたと思われるワルツやポロネーズなど、性格の異なる12の小品が舞踏会を舞う蝶のようにめまぐるしく移り変わる。低音をペダルで長く響かせる使い方や和音を一音ずつ減らす減衰の仕方など、シューマンらしい独創的な奏法が見られる。終曲は、カーニバルの夜のざわめきが止み、時計が朝の6時を打って終わる。
このソナタは1835年から1836年にかけて作曲された。この頃は後に彼の妻となるクララ・ヴィークとの交際をクララの父親(シューマンのピアノの師)から猛反対されており、クララヘの熱烈な、そして切ない思いが満ちた曲。第3楽章の変奏曲の主題はクララが作曲したアンダンティーノだが、第3楽章だけでなく曲のすべてにわたってこの音列が現れる。
第1楽章(アレグロブリランテ)の冒頭の力強く始まる左手の下降形はクララのテーマそのものである。第2楽章(スケルツオ)はリズミカルな動きとカノン風な書法が随所に見られ、下降形の音型はクララのテーマを思い起こさせる。第3楽章はクララのアンダンティーノによる変奏曲。クララが16~7才の頃書かれたものだが、当時人気があったといわれるロシア民謡風な雰囲気も感じられる。4つの変奏は変化に富み、対位法的な動きが交錯する。第4楽章(プレスティッシモ ポッシービレ)は終始一貫して速い6連音符が動き回り、その中に素朴なメロディーが繰り返されるが、いかにもクララとロベルトが対話しているかのようである。第一主題は上行型、下降型と変化しているが紛れもなくクララのテーマである。当時すでに一流のピアニストとして活躍していたクララがこの曲を演奏することを思い描いて書かれたのだろうか。全体に憂愁に満ち、すべて短調である。しかし第4楽章の最後の数小節だけが長調に変わる。それは将来への希望を信じているかのようだ。1836年に出版商ハスリンガーからの申し入れにより「管弦楽なしの協奏曲」として出版されたが、1853年に再版の際、改訂され、「グランド・ソナタ」という名が付けられた。
●左手のための前奏曲と夜想曲作品.9
スクリャービン(1872~1915)はモスクワの貴族の出だがピアニストの母を早く亡くし、家庭的には恵まれなかったといわれる。子供の頃からピアノに才能を表し、16才でモスクワ音楽院に入学。1才年下のラフマニノフと同期でありピアノ演奏に卓越した才能、特にペダルの使い方に非凡なテクニックを見せ、師サフォノフが賞賛したという。しかし音楽院在学中、のちに大ピアニストとなったジョセフ レヴィンとテクニックを競い合い、リストのドンファン幻想曲やバラキレフのイスラメイなどを猛練習し右手を傷め、ピアニストとしての生命を断念せざるを得ないほどの重症を右手に患った。その時に作られた曲。
ショパンの影響からマズルカという形を用いてはいるが繊細なイントネーションでつながり独創性に満ちた曲。スクリャービンは全部で23曲のマズルカを書いている。作品25は1898年モスクワ音楽院の教授になった頃の作品。
新進気鋭のピアニスト兼作曲家として認められた頃(1894)の作品。この時期彼が最も傾倒していたのがショパンの音楽。若いスクリャービンは偶像のようにショパンに心酔していたと思われる。op.8-2は個性的なカプリチオ。op.8-8は変イ長調のなだらかな
旋律で、愛するナターリャを思って書いたという。1891年以来ナターリャとの恋は実らぬまま終わる。op.8-12はカ強いピアニスティックな効果とともに情熱的で悲劇的な性格を持つ。「悲槍」と称され、またたくまに聴衆の評判を勝ち取った。この曲にはとても鮮明に未知の世界への飛翔の本質、20c初頭のロシアが体験する反乱の精神が凝縮されているともいわれている。
スクリャービンはショパンから出発しリストやワーグナーの影響をうけ、半音階的書法を高度に用い、新しい和声体系を作って独自の音楽を築いていく。音楽言語はきわめて独創性に満ちてくる。第5番は1907年35才の時の作品で4日間で書かれた。単一楽章で長、短調組織の代わりに、8つの同じ価値をもつ音から成る音階でできている。12音音階を準備しているようにも思われる。
4つの長3度が短3度を隔てて重なっているものでロシアの理論家ヤボルスキーが1907年「連鎖音階」と定義している。演奏指示には心理的な傾向を表す語が多く使われている。当時スクリャービンは神知学、神秘主義に傾倒していた。減5度、完全5度、長7度を多用した和音は神秘和音と呼ばれ、独自の神秘音楽で全人類を救うと信じ、新しい表出をなす音楽を模索していた。このソナタの表題として次のような詩が掲げられている。
私はお前に生命を与えよう
おお、創造精神の暗き深みに沈みし神秘な力よ、
生命の臆する胚芽よ、
私はお前に勇気を与う。
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